自意識をひっぱたきたい

自分は異様に空気が読める人間だと思っていたけど、読んでいたのは過剰な自意識でした。

福山雅治の「虹」は人間の条件


福山雅治 「虹」 (Full ver.) PV - YouTube

 

 

かっこよくて人気な福山雅治さんの「虹」です。

 PVも華やかで、見てて辛くなってくる部分がありますね…。

 はい。

 

ウォーターボーイズの主題歌となっていた懐かしい歌です。

 もう11年も前のドラマです。

 11年前と言えば僕は小学5年生。

 学級委員で勉強も運動もできて、典型的な優等生だったと思います。

 それから11年経つ中で、僕は世界の意味を失いましたが、人生って凄まじいですね。

 

世界の意味を求めて、最近ハンナ・アレント人間の条件 (ちくま学芸文庫)を読んでいます。

 500p以上あるし、僕が理解できているはずもないけど、遠慮せず引用します。

 というのも、僕が失った世界の意味を回復する希望が感じられる文章があるからです。

 アレントは、

 『共通世界の条件のもとで、リアリティを保証するのは、世界を構成する人々すべての「共通の本性」ではなく、むしろなによりもまず、立場の相違やそれに伴う多様な遠近法の相違にもかかわらず、すべての人がいつも同一の対象に係わっているという事実である。』

 

『二つの物体が同じ場所を占めることができないように、ひとりの人の場所が他の人の場所と一致することはない。他人によって、見られ、聞かれるということが重要であるというのは、すべての人が、みなこのようにそれぞれに異なった立場から見聞きしているからである。』

 

と言っています。

 要するに、僕たちが共有している世界のリアリティを感じるためには、自分とは立場の一致するはずもない他人によって見られ聞かれるということが重要だということです。

 なんだかとても当たり前のことを言っている気がします。

 でも、僕はこんな当たり前のことが全くできていません。

 僕は人と接するとき、相手の反応を決めつけてばかりいます。

 『本当は〇〇って言いたいけど、どうせ聞いてくれるはずがないな。』

 常にそう思っています。

 自分が本当に思っていることを言うと、嫌われてしまうんではないかと怖くて仕方がないのです。

 だから相手の反応の決めつけを行います。

 そうやって自分を守っているのです。

 ここには、全く他人によって見られ聞かれるという経験がありません。

 ただ相手の話に合わせる自分が存在しているだけです。

 そんなのは苦痛でしかないから、最終的には人と接することを断つのです。

 

アレントはこんな情けない僕みたいな状態のことも説明しています。

 『彼らは他人を見聞きすることを奪われ、他人から見聞きされることを奪われる。彼らは、すべて、自分の主観的なただ一つの経験の中に閉じ込められる。そして、この経験は、たとえそれが無限倍に拡張されても単数であることに変わりはない。共通世界の終りは、それがただ一つの側面のもとで見られ、たった一つの遠近法において現れるとき、やってくるのである。』

 

耳が痛いです。

 失われた世界の意味を取り戻すためには、僕は主観的な世界から飛び出さなければいけないようです。

 『どうせ僕の考えてることなんて聞いてくれないだろう。』という他人を疑う態度を乗り越え、

 他人に見られ聞かれる世界に飛び込んでいかなければならないのです。

 他人に見られ聞かれることは、自分の価値観を問い直す痛みや、世界を共有できる喜びがあり、

 それこそが僕が失っているこの世界の意味なのだと思います。

 

 『ただ雨に打たれ ただ虹を待ってたんだ 疑いもせずに

 いま僕は行くのさ イメージの向こう側へ 空の向こうへと この翼で』 

 

 

福山雅治さんの「虹」はそんな人間になるための条件を唄っているような気がします。

 だから最近、この歌をよく聞いて自分を鼓舞しています。

 

でも現実問題、そんな経験ができる場所はどこにあるのでしょうか。

 そもそも僕は、そういう経験ができる場所がこの世界に無かったから、世界の意味を失ったのです。

 一歩外を出れば、自分の経験を見ても聞いてもくれない他人がたくさんいます。

 もちろん、見て聞いてくれる人も少なからずいると思います。

 僕はチキンなので、まだ現実でそんな人を探す勇気がありません。

 

だからブログとツイッターでまず自分を表現しようと思いました。

 だから、僕の表現したものを見て聞いてくれた人が、コメントとかツイッターで僕とは違った位置から意見を言ってくれると跳ねて喜びます。

 そんな時に少しは世界の意味を感じられるのではないかと、淡い期待をしながらいつもブログとツイッターをやっています。

 失われた世界の意味は、そうやって作っていくしかないと思うのです。

 

 『いま僕は行くのさ イメージの向こう側へ 僕の向こうへと さぁ飛び立とう♪』

 

 

 

 

 

 

人間の条件 (ちくま学芸文庫)

人間の条件 (ちくま学芸文庫)